クリニックもインターネットのクチコミで選ばれる時代に
飲食店は食べログのクチコミを参考に、旅館・ホテルはじゃらんや一休のレビューを参考に、インターネットでの買い物には価格コムやAmazon、楽天のレビューを読むといったことはありませんか?クリニックを探す患者さんも同じようにインターネット上のクチコミを参考にする方が増えています。
実際、当社の調査でもクリニックを探す際にクチコミサイトでの評判を参考にする方が、58%にものぼります。そのためインターネットにおける集患という観点では第2回で述べたホームページだけでは不十分でクチコミサイトに対する対策も必須といえます。逆にこの2つを抑えればインターネットにおける集患は、最低限満たされたと言っても良いでしょう。
認知の次の刈り取りとして利用されるクチコミサイト
当社の運営する病院口コミサイトCalooを例にとりますと、流入キーワードの60%が「○○クリニック 評判」といった特定のクリニック名に評判やクチコミが付いたものとなっています(図表2)。つまり近所を通って看板を見たことがあった、友人から聞いた、検索してホームページを見つけたなど、一度そのクリニックの存在を知った上(認知)で、クチコミを読み来院の決め手としたいと思い調べたキーワードと言えます。看板、地域でのリアルなクチコミ、ホームページのどれもまずはクリニックの存在を認知してもらうという点では必須なものですが、その次の来院を決定付ける刈り取りという意味のあるクチコミサイトはさらに重要なポジションを占めていることがわかると思います。
【図表1】インターネットで病院・クリニックを探す際に参考にする情報は?
該当病院・クリニックのホームページ | 61% |
クチコミサイトでの口コミや評判 | 58% |
個人のブログなどに書かれた病院・クリニックの情報 | 13% |
その他 | 3% |
※出所:1年以内に通院経験のある20代~60代の男女。回答数:300件
【図表2】病院口コミサイトへの流入経路
病院口コミサイトへの流入経路 | |
クリニック名+口コミ、評判など(例:○○クリニック 評判) | 60% |
エリア×診療科目など(例:渋谷区 小児科) | 30% |
その他 | 10% |
※出所: Google analytics
クチコミを呼ぶような伝え方を工夫する
それでは、どのようにクチコミサイトを活用したら良いのでしょうか?それには、クチコミサイトにクチコミが付くように努力するのが第一歩です。クチコミが付きやすくなるためには、第1回に戻りますがわかりやすいクリニックを目指すことです。特徴のあるクリニックの方がオススメするポイントが分かりやすいのでクチコミが付きやすくなります。また当サイトに投稿されたクチコミを分析すると、先生の診察、受付、待ち時間、待合室の順にクチコミが付きやすくなりますので、特に意識して頂きたいポイントです。
さらに、クリニックのホームページなどからクチコミサイトへ誘導することでクチコミが付きやすくなります。金銭、対価などを払ってクチコミの投稿を患者さんに促すことは絶対にやってはいけませんが、これだけクチコミサイトが求められている現状を鑑みますとクリニックの側からも患者さんの自発的な投稿を促す仕組みは工夫して行っていくべきだと考えます。
ネガティブなクチコミとの向き合い方
クチコミサイトと聞いて多くの先生方がイメージされるのは、ネガティブなクチコミが書かれるのが怖いというものです。さらに例え事実にそぐわない間違ったクチコミが掲載されてもどうにもならないのでは?という思いが怖さに拍車をかけています。確かに2ちゃんねるに代表されるように間違った内容であっても削除要請になかなか応じないサイトが一定数あるのは事実です。
ですが、まともなサイトであれば、間違った情報が掲載されている場合、問い合わせフォームから連絡を行えば事実関係の確認の後、削除要請に応じてくれるケースがほとんどです。クリニックは飲食店と異なりカルテが保存されているわけですから、クチコミ内容が事実かどうかの確認は比較的容易だと思われます。また、クチコミサイト側とのやり取りは先生ご自身かスタッフが行っても問題なく、どうしてもクチコミサイト側とコミュニケーションが取れない場合に、弁護士を通じた内容証明郵便の送付を検討されることをおすすめします。