近年注目されている成分「CBD(カンナビジオール)」を皆様はご存じでしょうか。
CBDをご存じない方でも「医療用大麻」という言葉をご存じの方は多いかと思います。
CBDは麻から抽出される成分で、身体調節機能に良い影響を与えるものとされていますが、実際に使用するにはエビデンスが…と思う方も多いのではないでしょうか。
今回から何回かに分けて、効果に関して検証している論文を紹介し、その概要をご説明していきたいと思います。
※論文へのリンクは必ず記載しますので、概要を読んで興味を持った方は、原文の確認をお願いいたします。
もし、CBDについての基礎知識が足りない…という方は、以前に本サイトで紹介したCBDオイルに関する記事をお読みになっていただければと思います。
https://clinic-magazine.jp/archives/500

エピディオレックス

第一回で取り上げるのは「エピディオレックス」です。
CBDに関して「〇〇に効く」と言われているものは数多くありますが、まずは医薬品として正式に承認を受けている製品からご紹介していきたいと思います。

エピディオレックスとは

エピディオレックスは、GW製薬の米国子会社Greenwich Biosciencesが開発した薬です。
対象としているのは、難治性てんかんのレノックス・ガストー症候群(LGS)・ドラベ症候群で起こるてんかん発作を対象としています。

CBDが注目される原因の一つになった、CNNで放送された「WEED」。
この番組に登場していた「シャーロット」さんもドラベ症候群による難治性てんかんを患っており、CBDオイルで劇的に症状が改善されていました。

エピディオレックスは2018年にFDA(アメリカ食品医薬品局)に医薬品として承認され、翌年の2019年には欧州委員会にも医薬品としての利用が認められました。
20年になってからも、イングランドでの使用が解禁されています。
https://www.bmj.com/content/367/bmj.l7065.full
※欧州での使用は抗てんかん薬クロバザムとの併用療法
残念ながら日本ではまだ承認されていませんが、聖マリアンナ医科大学が治験申請を行い、準備を進めているとのことです。
また、ドラベ症候群患者家族会、公益社団法人日本てんかん協会、一般社団法人日本小児神経学会、一般社団法人日本てんかん学会の4団体が厚生労働大臣に「カンナビジオール(CBD)医薬品承認」に関する要望書を共同提出しています。
(参考:https://www.jea-net.jp/news/6700

成分・用法

THCはほとんど含まれておらず、100ml中に10000mg(10%濃度)のCBDが含まれています。2歳以上の患者に対して、20mg/kg/日の投与が目安となっています。

金額

イングランドでの金額は100mg/mLのCBDを含む100mLボトルの場合、約850ポンド(2020年3月12日現在のレートで、日本円にして約11万3000円)となっています。
また、以前にGWの役員が電話会議で、年間使い続けた場合32,500$程度の金額になると言っています。
参考:https://www.inquirer.com/philly/business/cannabis/epidiolex-marijuana-derived-drug-gw-pharmaceuticals-sativex-cbd-20180809.html

エビデンス紹介

タイトル

Trial of Cannabidiol for Drug-Resistant Seizures in the Dravet Syndrome
(ドラベ症候群の薬剤耐性発作に対するカンナビジオールの試験)
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1611618

概要

手法

ドラベ症候群かつ薬剤耐性発作を発症している患者
二重盲検プラセボ対照試験
120人の小児または若年成人(平均年齢9.8歳)
1日あたり、プラセボ、または体重1kgにつき20㎎のカンナビジオールを経口液で接種
(ただし標準的な抗てんかん治療は全員に適用)
4週間のベースラインと、14週間の治療期間での痙攣発作頻度の比較を行った

結果

痙攣発作の回数を月単位で見ていくと、プラセボ群の場合は14.9→14.1の減少にとどまりましたが、CBD群は12.4→5.9に減少しました。
また、けいれん発作の頻度が50%以上減少した患者の割合は、CBD群で43%に上ったのに対し、プラセボ群で27%にとどまりました。
発作が完全に消失した患者はCBD群では5%存在しましたが、プラセボ群で0%でした。
CBD群のほうが有害事象の発生率が高く、特に頻度が高かったものとして下痢、嘔吐、疲労、発熱、傾眠、肝機能検査での異常な結果がありました。
ただし、重篤な有害事象は

また、CBD群の方が試験からの離脱率が高めでした。
(CBD群からは9人離脱、プラセボ群は3人離脱)

有害事象

重篤な有害事象は、プラセボ群よりもCBD群の方が多くなりました(5%対16%)。
また、有害事象によって離脱者が両グループから出ましたがCBD群の8人に対して、プラセボ群は1人にとどまりました。
有害事象の中で、頻度が高く、発生に差が見られたのは傾眠(CBD群で36%対プラセボ群で10%)、食欲不振(28%対5%)、および下痢(31%対10%)です。

第一回はエピディオレックスについての説明と、エビデンスのご紹介をさせていただきました。
次回は、同じく大麻由来の製品として承認を受けた「サティベックス」についてご説明します。
その後は、エビデンスを元に「この症状にもCBDは好影響を及ぼすのではないか?」と考えられる事例を紹介していきます。

CBDに関して「こういう症例についてのエビデンスがあれば紹介してほしい」など
ご意見があればお寄せください。
その他にもCBDに関するご質問があれば、お気軽にお寄せください。
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