クリニック経営マガジン

第4回:待合室と待ち時間はファンになってもらう絶好の場

第4回:待合室と待ち時間はファンになってもらう絶好の場

待合室の患者さんの心は不安でいっぱい

待合室は、患者さんが医師に初めて接触する診察前という点でとても重要なポイントです。そんな待合室で待つ患者さんの心の中は、不安でいっぱいです。患者さんが不安に思う点は主に2つです。1つ目は医師の医療技術が確かなものかどうかわからないという不安、2つ目はどんなキャラクターの先生なのかわからないという不安です。

この2つの不安をクリニックの発見から来院、待合室での待ち時間の流れの中で解消していけるとスムーズな診察、ひいてはリピーターに繋げることができると考えられます。

待合室の患者さんは不安がいっぱい

診察前に医師との接触回数をいかに増やすかがポイント

人は何度も同じ人、同じ物をみると親しみを持ちやすくなるという現象があります。これをザイオンス効果といいます。ブランドがテレビCM、街中看板、雑誌などに繰り返し露出するのもブランドとの接触回数を増やし親しみを持ってもらい購入に繋げたいという戦略からです。

このザイオンス効果を生かして、クリニックでも同様の取り組みを行っていくことで診察前に先生に親しみを持ってもらうことが可能だと思われます。具体的には、クリニックを探す患者さんが検索後に初めて目にするホームページ、クチコミサイトなどに先生が積極的に露出することです。これによりオンライン上で患者さんが先生と1度目の接触をすることができます。

その次の接触が今回のテーマの来院時です。特に待合室は患者さんが診察前に先生との2回目の接触を行う絶好の場です。具体的な方策として3点あると考えます。1つ目は、院内掲示で先生のインタビュー記事、先生が取り上げられた本や雑誌の紹介を行うことです。2つ目は、院内の設置書籍に先生が取り上げられているものを置くことです。先生自身が病気の解説などを行っているものが一番望ましいです。3つ目は待合室にテレビモニターを設置し、先生のインタビュー動画で流すことです。

患者さんは待合室で待っている間にインタビューを見たり先生の取り上げられている記事を読んだりすることで、先生の持つ医療技術についての信頼を高め、かつ先生の人柄も知ることになります。これにより診察前に患者さんが抱えていた医療技術と先生のキャラクターへの不安のかなりの部分を取り除くことができます。これからの時代、患者さんのために先生の医療技術や考え方を積極的に伝えていくことは必須です。ホームページやクチコミサイトといったインターネット上だけではなく、待合室でもぜひ実施して頂ければと思います。

待合室は先生のことを知ってもらうチャンスの場

待ち時間は順番待ち予約システム導入がベストだがまだ必須

待ち時間に関しては、弊社運営のクチコミサイトでも多くコメントが寄せられる分野です。ですが、待ち時間が長いから満足度が大きく下がるという傾向はそれほどみられません。むしろある程度待った方が人気のあるクリニックだと判断する患者さんも多くいます。

このため順番待ち予約システムを導入してホームページ上などから予約できるようにすることが待ち時間対策としてはベスト。最近はアポ帳や電子カルテと連動したシステムが安く使用できます。インターネットで24時間に予約ができるため、導入後、来院が増えた、というケースも多くあります。また、電話予約の割合が減るため、受付が電話の対応に追われることなく、患者様の対応を行えることも再来院の患者様が増えることにもつながっています。

予約システムを導入して、スムーズな診療を

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